ノートパソコンの電池の寿命

私の場合ノートパソコンは携帯用で、旅行とカーナビ専用と考え、B5タイプの1.4Kgの物でPHS、公衆回線、LAN接続環境があればLANを使ってのネット接続(メールチェック)、旅行中のデジカメのデータ保存等に使っている。以前使っていたノート(Panasonic AL-N2)はリチュウムイオン電池であったが、メモリ効果があるとの事で放電ソフトをメーカーが出していて、それを使って1〜2月に一度は完全放電してフル充電していた。購入後5年ほど経つが未ださほどの寿命問題は出ていない。

ちなみにメーカーに尋ねたら、電池は8年間保管していますとのことであるが、20数万円したノートも5年経つと中古マーケットで3〜4万円になっている。これに4万円のバッテリーを購入する気にはならない。ノートパソコンを使う上での最大の関心事は如何に電池寿命を延ばすかにあると思っている。

最近私が参加しているメーリングリストで、1年でバッテリーが駄目になったと言う話が出て、メモリー効果ではないのとレスしたら、リチュウムイオン電池にはメモリー効果は無いよと言われてしまった。

昨年ノートを入れ替えたので、電池寿命には関心があるので、いろいろとサイトを調べて回り、どのように使えば電池寿命が保つのかをまとめてみた。

リチュウムイオン電池は次のような特徴をもっている

  • エネルギー密度が高く、Ni-Cd電池の約1.5倍(Wh/l)、あるいは2倍(Wh/kg)
  • 高電圧(3.6V)でNi-Cd電池やNi-MH電池の約3倍
  • サイクル寿命が長い
  • ニッカド蓄電池などにみられるメモリー効果がなく、リチウムイオン電池は、途中での継ぎ足しが可能
  • 電解液と電極の間で化学反応をおこさないため、電子の損失が少なく自己放電が少ない。(10%/月以下)
  • 放電特性が緩やかで連続的に変化するので残量の検出が簡単となり、パソコン等の正確な残量表示が可能

ということで、次世代の燃料電池が実用化されるまでは、リチュウムイオン電池が使われるようである。

ところがリチュウムイオン電池は過充電状態になると発熱発火することがあり、過充電防止回路が組み込まれている。(発火事故多発しリコールされた物もあるようだ)この防止回路の出来不出来で寿命も変わってくるようだし、素人が手を出しにくくしている。

リチウムイオン電池は、充電時には正極からリチウムイオンが負極へ移動して吸蔵され、放電時には逆に負極から正極へリチウムイオンが戻る構造となっているが、電極にLi+が集まると電極の性能を劣化させるらしい。(結晶構造を変化させる)

特に傷みやすいのが、一方の電極にイオンがかたよって隙間が少なくなって自由イオンが狭いところにもぐりこもうとした状態・・・ということで、満充電でACアダプタをつなげて使うのが(電極にほとんど隙間がない状態でイオンの出入りを強いることになるので)最も電池に優しくない使い方となるわけ。

メーリングリストで聞いた話では、その人はACアダプターは常時接続にしていたとの事で、1年で電極が劣化してしまった物と推測される。

適当にバッテリを使って充電するというサイクルを繰り返していると、少なくとも「過充電電池殺し」には遭わないので、一応規定の寿命の分(フル・サイクル300回程度が目安なので、50%まで使うなら600回の充放電)だけは使えるはず。

リチウムイオン電池にはいわゆる「メモリー効果」は無いと言われているが、まったく無いのか僅かあるのかは判然としない。

と言うことなので、私のノートパソコンは、フル充電をせずバッテリー駆動で警報が出るまで使い、警報を聞いてからACアダプターを差し込むことにした。(充電は85%くらいで止めている)

ネットで情報探索中に、リチュウムイオン電池の再生をしてくれるところを見つけた。(ここにはリチュウムイオン電池についての情報もある)

http://www.baysun.net/index.html

メーカーは8年くらいは電池を供給するらしいが価格が高いし純正品しかない物と思っていた。また、ネットオークションに時々出品されるが、タイミングに問題もあり当てにするには容易ではないので、上記再生が有利であろう。

その後もネットを探していたら、次のサイトを見つけた。上記のサイトはお金があり暇のない人向け、金は無いが暇はある人にはここがお勧めです。

http://www.jcss.ne.jp/~yoshiden/batt.htm (2005/01/19 リンクが切れているとのメールで、チェックしたらこのホームページは消失していた。記憶を頼りに検索したが見つからないので、リンクを外した)

ここはリチュウム電池のパックを販売しており、それをばらしてセル単体を取り出して、活用すれば\4000くらいで再生できる。
また、外部電池パックも\2490と非常にお得に見える。(上記外部電池の会社の物は\20000)専用充電器共で約\5000!なのでこの購入を考えたい。(余剰品活用の物で外見はいかにもジャンク品である。しかし、機能は十分なので私は気にならないが、万人向けではないかもしれない)

その後ネットで見つけたバッテリー情報 (2003/11/27)

リチウムイオンバッテリの寿命
通常、300回〜500回の充電回数で寿命がくる。使用形態によってはそれより遥かに早く寿命がくる場合がある。

常にAC電源で使用する/長時間AC電源で使用する場合
PCから取り外しておく。これは、PCに取り付けたままAC電源に接続し、長時間使用し続けていると、バッテリがちょっと放電しては充電しということを繰り返してしまい、結果充電回数を制御するマイコンが管理する充電回数に誤差が生じるためである。

リチウムイオンバッテリの充電方法
満充電になったらACアダプタを取り外す。通常8時間以上AC電源に接続しないほうがよい。

へたってきたリチウムイオンバッテリの回復方法
PCの電源をいれたままACアダプタにつながずに放置する。PCの電源管理機能をOFFにしておけば、ほぼ使い切ったところで電源が切れるので、その状態から満充電を行う。この際、過充電しないように気をつける(目安は8時間以内)。よくBIOS画面にして放置するという話がでるが、過放電の危険があるのでBIOS画面ではなくOSを起動しておいたほうがよい。

リチウムイオンバッテリの長期保管方法
約50%程度の充電状態にし、PCから取り外して冷暗所に保管する。長期保管後に使用する場合は、その状態でPCに取り付け、OSが自動シャットダウンするまで使用し、満充電を行う。ちなみに、メーカが出荷する場合は、だいたい50%〜80%程度の充電状態になっていることが多いようだ。

参考文献:
リチウムイオンバッテリの保管方法

リチウムイオンバッテリ(バッテリパック)を長持ちさせるには

第109回:バッテリ技術、その噂と真実(その1)

第110回:バッテリ技術、その噂と真実(その2)

第111回:バッテリ技術、その噂と真実(その3)

AC電源での駆動時はバッテリーを外す?