原発事故と計画停電についての愚見

(2011/3/22)

   
計画停電について
唐突に始まった計画停電。 全く計画性の無い処置である。期間は4月末までとしているが、その後の展望は示されていない。

東電・政府が何の根拠もなしに、計画停電は4月末までと言ったばかりに、パリーグは4月末までその地域でのナイターは取りやめると発表した。(21日)サイクルが違うために中部電力以西からの送電は周波数変換が必要だがその能力は100万KW程度とのこと。電力消費のピークは夏なのにどうするつもりなのだろうか。

都心3区は行政が集中しているので計画停電の範囲外とか、その昔、首都移転の話が出ていたが尻すぼみになってしまった。今こそ長期的展望で再考すべきだろう。 政治の中心が東京にある必要は感じないので、停電がそんなに問題なら、50サイクルでも60サイクルでも使えるように、この境界線付近で津波が来ない山中に移転したらどうか。

電力需要が供給能力を超えている現実から、省電力の必要性は理解できる。独占企業で消費者に電力を使わせることに注力していた訳だが、方針を変換して省電力に向かわせる方向付けをして、計画停電というような弱者切り捨て経営は止めるべきだろう。  大前研一氏提案の過去の使用電力量をベースにした割増料金制は面白い。政治家や東電経営者には発想できないアイディアだ。 蓮舫大臣は夏時間採用と電気料金の値上げを言い出したが思い付きでは無いという根拠を示すべきだろう。どうして衆知を集めようとしないのか。

22日になって東電は電力の使用状況をグラフでWEB上に発表し始めた、他の電力会社も見習って欲しいもの。と言うのは中電が計画している上関原発の反対理由の一つに、中電は電力が余っているのに何故今なのかという項目もあるし、需要と供給のバランスが公表されずに個別に計画が進められ一貫性が見えないでは無いか。

電力の需給バランスが崩れる事を改善するには
1)大前研一氏提案の過去の使用電力量をベースにした割増料金制の採用による節電の普及と財源の確保。
2)自家発設置の推進・・・大口需要家に自家発の設置を働きかける。従来電力会社は設置抑制の姿勢だった。
   法人税減税をこれに回して補助すべきだろう。
3)業務用電力割引率の見直し・・・割引率を下げる(あまりにも格差が大きい)、夜間率アップのためのインセンティブを付ける。
4)周波数変換装置を増設すべき。数千億の費用と10年以上の期間が必要と言われているが、単なる反対論では無いのか。
    或いは長期的観点から全国同一サイクル化は出来ない物か。ステップバイステップで60サイクル範囲を広げるとか。
5)化石燃料は資源ナショナリズムで価格を操作されよう。従って原子力か自然エネルギーしか無いだろう。
  今回の事故で原子力アレルギーは更に増すだろうから自然エネルギーになるのだろうか。

25日になって政府はしきりに夏電力不足を唱え始めた。計画停電の拡大・夏休みの分散長期化・サマータイム導入・料金値上げなどの施策が語られている。規制緩和して小さい政府を目指さねばならないのに、規制の連発である。それにしても電力会社の言いなりにしか聞こえない。

荒療治だが停電を日常茶飯事にしてしまうことも必要かも。不合理な計画停電よりはましだ。

原発事故について
当事者能力の無い連中の情報操作に困惑。何処まで何時まで隠蔽するのか。 今後の展望を示さずその日暮らしの情報で国民を欺いているのは誰なんだろう。

マスコミも無責任な報道ぶりで、あちこちから学者を呼び集めて解説を求めている。ちょっとエキセントリックな発言をするとお呼びが掛からなくなる。ともかく学者は非常に狭い範囲の研究者であり、プラントの設計 ・建設・運転操作には疎い人が多いように思える。物知り顔で分かりきったことを言うだけで聞く気もしなくなる。 情報操作についてはここにも書いているが後追いでちまちま出すだけでは真実の姿は見えない。  現在は外部電力の接続が話題になっているが、誰一人炉心の冷却までしか話さない。冷却して後始末まで数十年掛かるだろう事は禁句にしている。

保安院の会見に出てくる人は天下りのド素人だし、東電の役員には原子力経験者はいないとか。(大前研一氏談)まともに判断できる人もおらず、 おそらく東電が作った作文を読んでいるだけである。 これを情報操作と言わなければなんなんだろう。

海水を使った時点で福島原発は再生不能になった。解体も相当長期に亘ることが予想される。おそらく数十年間に亘って続くだろうしその間の作業に習熟している監督者も作業者も居ないので手探りで進められ、事故が起これば今とは格段に多くの放射線漏れになろう。緊急避難で待避している住民が帰宅できる保証は無い。 解体するには燃料棒の引き抜きをしなければならぬが、建屋を作りクレーンを上げねばならぬし燃料棒を引き抜いても、その保管場所すら無いのが実情だ。 やっと官房長官は原発の廃炉の可能性を漏らしたが、廃炉が意味することはどのマスコミも言及していない。これも情報操作である。

東電は利益を生まない原発の終戦処理に半世紀も取り組むだろうか、またその間の放射線に暴露される作業者の充足が出来るのだろうか。

それでも原発は必要な設備だと思う。如何にして情報を開示し原子力アレルギーを解消するのかを考えるのが政治家の役割。
しかしながら、このアレルギーを利用した政治家が如何に多いことか。是非電力問題の長期展望を示して貰いたい。

今後は周辺を国有地にして放射線漏れ対応を行うしか手が無かろう。汚染しても大したことは無いと言いながら、出荷制限や住民の待避を行わせる一貫性の無さにはあきれかえる。大気や海水の汚染値は公表するがこれらは拡散する物、肝心の土壌汚染の公表が無いのは気になるところ。 とにかく一事が万事情報操作である。

ドイツでは3月17日にはこのような物をネットに出している。 http://www.spiegel.de/images/image-191816-galleryV9-nhjp.gif

日本では3月22日になって言い訳たっぷりな拡散資料を出した。http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf
これもSPEEDIと言う天下りの巣窟の一つの計算結果だ。ホムページを見ても欲しい情報は何も無い。