衆議院議員総選挙について

(2012/12/ 9)  

投票の権利を得て以降、最初は権利行使の喜びから、就職後は大企業故の発想、部下を持ってからは棄権防止を唱えて一度も棄権したことは無い。国会議員などに付き合いは無く、人物も分からないまま所属している党を選択基準にしていた。

候補者も、自分の信念・考えを述べるでなく、ただ名前を連呼する運動主体になってしまう。 まあ党を選択基準にしていたのでさしたる齟齬は感じなかった が。

前回は民主党がマニフェスト選挙を展開しこの内容に共感した。それまでの与党のだらしなさ・既得権益温存に飽き飽きしていた事もあったが・・・。 ところが政権が変わってみたら何のことは無い 言行不一致で期待はずれが次から次えと押し寄せた。

民主党2009年のマニフェストの最後に記載の「民主党の5つの約束」5項目と私の感想を記すと、

むだづかい 国の総予算207兆円を全面組み替え
税金の無駄遣いと天下りの根絶
議員の世襲と企業団体献金の廃止
衆院定数80削減
赤字国債発行額は増加。天下り根絶どころか民主党になって2011/2時点で4240人。世襲も企業団体献金も廃止の気配無し。定数削減も一切変更無し。
子育て・教育 中学卒業まで年\312,000の子ども手当支給
高校は実質無償化、大学奨学金の大幅拡充
この部分は少しは進展したのかな。
年金・医療 消えない年金
年金制度の一元化
月額7万円の最低保障年金
後期高齢者医療制度廃止、医師数を1.5倍に
殆ど何も変わっていない。
地域主権 地方の自主財源を大幅に増やす
農業の戸別所得保障制度の創設
高速道路の無料化、郵政事業の抜本見直し
地方の自主財源・・話題にもならず。
農業の所得保障は階段的に実施。
元の木阿弥。
雇用経済 中小企業の法人税率11%に引き下げ
月額10万円の手当付き職業訓練制度
地球温暖化対策の推進と新産業育成
復興予算確保のため見送り。消費税を増税
失業者数に改善見られず。
原発前提だったはず。

結局政権党が変わっても実質は変わらないと言うこととなった。 今回の選挙は第三極と称する政党が増えて、それぞれの党が政策を主張しているが違いがはっきりしない。

私はネットで新聞を見ており、毎日新聞に「えらぽーと」と言う自分の考えと政党の考え方の一致度を数値で示すページを見つけた。自分の考えを記入して結果を見て驚いたのは60%以上の一致度を示す政党が無かったことである。

ここに「えらぽーと」での設問と私の考えを述べてみる。

 
あなたは憲法改正に賛成ですか、反対ですか。 必要なし。直ちに改正しなければならないような問題は無い。
集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈を見直すべきだと思いますか。 他国が攻撃されたことに対して、報復攻撃を日本も一緒になって行うことと思うが、見直しの必要は無い。

今の国会は衆議院と参議院の二院で構成されています。憲法を改正して、一院制にすることに賛成ですか、反対ですか。 本来はスタンディングポイントの違う議員で構成する二院制であるべき、その区別が無いなら存在意味は無く、むしろ政治のあり方を複雑にしているだけだ。USAのように都道府県議会に2議席を与える参議院もありと思うのだが。
社会保障財源にあてるため、消費税を2014年4月に8%、2015年10月に10%まで引き上げる法律が成立しました。この法律への考え方で近いものを一つ選んで下さい。
1法律通り引き上げる
2引き上げ必要だが時期は先送り
3今の5%を維持
4税率を下げる
5廃止すべき
少子高齢化を考えると、社会保障財源は絶対に必要なもの。

従って引き上げるべきだが、社会保障財源にすべてを投入することと、食料品の税率カットと課税逃れの防止策をきちんと整えることを前提としてほしい。

現行の基礎年金制度は、財源の半額を国民が支払う保険料でまかなっていますが、全額を税でまかなうべきだとの意見もあります。どちらがふさわしいと思いますか。
1現行方式
2全額税方式
基礎年金部分については全額税方式とし、上乗せ部分の厚生年金、共済年金などへの税の投入は認めない。あくまで個人の支払う保険料をベースに運用益でまかなうべき。
原子力規制委員会は、原発の再稼働に関する新たな安全基準を策定中です。今後の原発再稼働について、あなたの考えに近い方を選んで下さい。
1新基準を満たしたら再稼働
2再稼働は認めず廃炉とする
原発は必要という基本的考えから再稼働すべきと考える。但し原発問題については別途整理したい。
2030年代の原発稼働ゼロを目指す政府の目標について、支持しますか、しませんか。 上述の考えから原発ゼロ目標は支持しない。
東日本大震災の復興予算について、被災地以外の防災対策に使うのを認めても構わないと思いますか。 全くおかしな話。絶対反対だ! 自民ならいざしらず民主がこのていたらく。
政府は日米関係を重視し、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設する方針ですが、県や地元は反対しています。移設先についてあなたの考えに近いものを一つ選んで下さい。
1名護市辺野古
2沖縄県内別の場所
3沖縄県外
4国外
前回の選挙で民主党は国外に移設することを大々的に謳った、これについて何らかの具体案があるのだろうと思ったが、実のところ何も案は無かった。米軍が日本に駐在している理由の一つは東シナ海・南シナ海対応と思うが、地理的に見て沖縄が最も適しており沖縄県外は考えにくい。

米軍の駐留そのものを止めることしか解決策は無いと思う。その場合には「軍」の保持、核武装に進むことになるだろう。

10 政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化したことを評価しますか、しませんか。 石原前知事が画策した東京都有地よりは国有化の方が良いと思うので評価する。 それにしてもばかげたアイディアだ。
11 中国に対し、日本政府はどのような態度で臨むべきだと思いますか。
1強い態度
2対立を避ける努力を
強い態度と言いたいが、果たしてとことん突き進むだけの力が日本にあるだろうか。冷静に考えて対立を避けるべきだろう。
12 輸出入関税を原則ゼロにする環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加に賛成ですか、反対ですか。 製造業に身を置いていた人間から見れば当然賛成である。
13 TPPの農業分野への対応について、あなたの考えに最も近いものを一つ選んで下さい。
1関税は全面的に撤廃すべき
2コメなど可能な限り多くの例外品目を設ける
3農業分野の関税はすべて守る
例外品目を設ける交渉は必要だが、現在のコメのように700%を越すような税率には疑問がある、低価格の輸入米があっても良いではないか。
日本が農業立国ならTPP不参加もあるだろうが・・・。
14 日本の核武装について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。
1将来にわたって検討すべきでない
2今後の国際情勢によっては検討すべき
3検討を始めるべき
4核兵器を保有すべき
広島・長崎の原爆と3.11の原発事故による放射能被爆を経験しておりながら、核武装を検討するなど出来るわけが無かろう。
万一持ったとしてその発射権限を任せられる人物が居るだろうか。
15 政府は女性の皇族が結婚した後も皇族の身分を維持する「女性宮家」の創設を検討しています。あなたは賛成ですか、反対ですか。 さらりと考えれば女性宮家に賛成なのだが、皇族以外の男性と結婚した場合その配偶者や子供を皇族にすることを意味し、さまざまな裏工作が行われそうなので反対である。
16 衆議院の定数削減について、あなたは次のどれが望ましいと思いますか。
1比例代表を削減
2小選挙区を削減
3小選挙区・比例代表の両方を削減
4削減の必要なし
定数削減と一票の格差問題を解消するには、小選挙区の見直しと比例代表の削減の双方から追求しなければ解決しないであろう。しかしながらこれを国会議員が検討するというのでは進むはずが無い。 検討体制の構築が問題だ。
17 衆院選後、どのような政権が望ましいと思いますか。
1民主党中心の政権
2自民党中心の政権
3民主・自民の大連立の政権
4第3局など民主・自民以外の政党中心の政権
自民の酷さ・汚さをたった3年ほどで忘れてしまえるものなのか、よかれと思った民主のだらしなさを考えると暗澹たる思いがする。
となれば第三極しか無いでは無いか

18
当選した議員が選挙後に所属政党を変えることは問題だと思いますか。 私は党を選択基準にしているので問題だと思うが、小選挙区議員は個人名で当選しているので所属を変えても良かろうが、比例代表当選者は絶対におかしい。
19 政党への企業・団体献金を全面的に禁止すべきだと思いますか。 全面禁止は当然である。見返り無しの献金など考えられない。

20
政権公約(マニフェスト)通りに政策を実行しないことをどう思いますか。 実行しようとする気配も無いまま知らぬ顔も問題だが、2009年のマニフェストの達成率79%と評価した民主党の検証委員会は自画自賛だけで人を馬鹿にしている気がする。

上記20の設問に答え、ついですべての設問の重要度を設定すると各党の主張との一致度が出てくる仕掛けである。前述のように一致度60%以下となると私の思考はよほど特異なのかもしれない。

基本的には殆どの政党が原発問題を稼働せず廃止の方向なので、一致度は低くなったのだろう。
私は鉄鋼製造に従事した技術者として、原発を廃止すると電力コストがアップし、製造原価に跳ね返ることを懸念して継続すべきと考えていた。
これに対して大学同期の友人は原子核に従事した技術者として、原発のコストが低いというのは間違っている。今回の事故のような事態に対応するコストは何処にも入っていないし、廃炉費用も使用済み燃料棒の処理費用も入っていない。これらは電気料金では無く税金で賄う仕組みなのだと。

私としては、心情的には原発反対なのだが、電力多消費産業に従事していたものとして、電力のコストと使用量制限は気に掛かるところ。最近原発が休止し代替燃料のコストアップのため電気料金値上げ申請が出てきた。諸外国に比べて日本の電力料金は今でも高いと思うのにさらに上がるのは何処に問題があるのだろう。 電力問題は時間を掛けて調査・検討したい。