Pentium800の購入

2000年の大晦日、熊本から帰京している息子に付き合い秋葉に行って、衝動買いでPentiumIII 800Mhzを買ってしまった。
私のM/Bは知る人ぞ知るマニヤ好みのMSI!。Slot1 430BX FSB100Mhzではあるが、電圧もFSBも変えられる優れもの。 現在100X4.5 450Mhzで使っているが、CPUを変えるなら最低でも1.5倍にはしたいと思っていた。現在の最速はP-4 1.5Gbであるが、これが手の届くところになるのは1年先であろう、とすればソケット370のM/Bを使っても1年しか使えないので、何とか我慢してSlot1を使わざるを得ないと思っていた。
ふと見ると、Slot1で800Mhzが1万円台であるではないか!、これがその後30時間以上のオオゴトになるとは知らずに買ってしまった。
自宅のマシンはOS用に10Gb、データ用に30GbのHDD、10Gを半分に割ってWIN-MeとWIN2000を入れている。古い周辺機器にドライバーがないものがあり、WIN2000に集約できないでいた。WIN-Meのドライブには余裕が300Mb程度しかないので、30GbのHDDを購入し交換の準備まではしていた。
帰宅後、CPU交換前に昨年台湾で購入した故宮博物院のVideoCDを見たあとCPUの交換に入った。どうもこれがビールスに侵されていたらしい。

Virus汚染

CPUはエンジンだから、あまり気にもせずに交換し、メモリーを133用に、IDEケーブルをUltraATPI用に交換し、まずはFSBを100で立ち上げたところ、600Mhzで順調に動いた。
そこで、FSBを133に変更し133X6 800Mhzで立ち上げたところBIOSを順調に消化したあと突然真っ赤な画面でノートンAntiVirusがKeybordナンチャラがビールスの汚染されています。どうしますかと聞いてきたので、つい検疫所に入れるをクリックしてしまった。(今までメール添付のビールスしかお目にかかっていなかったのでそのやり方しか知らなかった)ところがそれからは、立ち上げるとBIOSが終わったあと、WIN-Meに入ると画面は黒いまま終了のメッセージ「電源を切る用意ができました」が出て自動的に電源を切断してしまう。Keybordナンチャラを外したので立ち上がらないのかと、検疫所に入れたファイルを出そうとしても所在がわからない。Nortonをインストールするとき、救済FDを作るように促されたが、面倒なのでそれもない。まずは救済FDを作って救済を試みることにした。
予備の30GbのHDDを接続し、そこにWIN-MeをインストールしAntiVirusを入れて、救済FDを作り、再びHDDを付け替えて救済FDから立ち上げたところ、この救済FDは作成された環境と違うので使えませんと言われてしまった。それでも強引に動かしてみたら、延々とビールスのスキャンを繰り返すのみで、検疫所からファイルを取り出すことは出来なかった。

WIN-Meの上書きインストール

新しいHDDに切り替えてしまえばいいようなものだが、メールソフトの設定、FTPソフトの設定が沢山ありすぎて全部控えていないことから、何とか古いHDD内のデータを利用しないと回復することが出来なくなっている。特にレジストリを見ないと設定が出来ない項目があり、この部分は他のディレクトリ(HDD)からの起動では、見ることが出来ないのでなんとしても起動しなければならない。
そこで、WIN-Meが動かないのだから上書き修復インストールをすることにした。まずはCPUを旧の450Mhzに差し替えて、インストールを始めると、HDDに空きスペースがないのでインストール出来ませんとのメッセージ。再びHDDを差し替えて新しいHDDで立ち上げて、古いHDDから不要なディレクトリを削除し修復インストールにやっと成功した。
このままでは当初の環境に回復しただけで、それまで何の為に苦労したのかがわからなくなるので、環境の改善に再度取り組むことにした。

HDD交換

10GbのHDDを30Gbに変えることにして、以前やった丸ごとコピーが簡単なのでそれによることを考え、30GbをFDISKで20Gbと10Gbに分割し、Formatした後古いHDDのCドライブを丸ごとコピーをした。起動してみるとシステムがないので動かないと言うメッセージ!
考えてみると、古いほうは起動時にWIN2000とWin-Meをブートするようにしていたので、ブートなしでの起動は出来ないことになっているのであろう。古いHDDからWIN2000を削除し、WIN-Me単体での起動にしたいと思ったが、WIN2000の削除が出来ない(わからない)
簡便法をあきらめて、クリーンインストールに切り替えた。(最初からこうすればよかったのに・・・とはあとで思うこと)

クリーンインストール

まずは、CPUを交換し800Mhzでのインストールを試みたが、どうしてもうまくいかない。数回繰り返したあと、あきらめて600Mhzにしてのインストールとなった。されど、私のWIN-MeはWIN98からのアップデート版で、WIN98をインストールしないとMeがインストールできない。時間だけの問題ではあるが面倒なことこの上もない。
インストール後ある程度のソフトを入れて起動してみると、ディスクトップ上のアイコンが次々に瞬きをして、なんとなく不安定。
仕方なくCPUを450Mhzに交換してFormatからのインストールとなった。インストール完了後、古いHDDから必要なレジストリデータを移植し、基本部分はやっと完了した。

CPUの交換

古いHDDと新しいHDDでWIN-Meが動く環境が出来たので、不測の事態が起きても差し替えればいいので少々乱暴をしても大丈夫と、古いHDDでCPUを交換し動かしてみた。FSB133X6での800MhzはBIOS段階では認識するが、どうしても不安定でギブアップした。本来FSB100Mhzにしか対応していないチップセット(430BX)なので、それが原因なのであろう。仕方ないのでFSB100にして600Mhzで動かしたら、インストール時に出ていた不安定さがなくなっており(あれはナンだったんだろう)安定して動くようになった。 
結局は450から600Mhzになっただけであったがクリーンインストールしたので、しばらくは安心して使えるだろう。

2001年初頭のマシン環境   

CPU PentiumIII 600Mhz (133X6のものを100X6で使用)
M/B MSI 6163 (チップセット440Bx)
Videocard Diamond Viper770
Memory 256Mb(128MbX2)
HDD 30Gb X 2 (IBM DTLA307030 Ultra ATA100)
CD-ROM 40X CD-ROM (メーカー名不詳)
CD-R  MATSHITA CW-7503
Sound Multimedia 8011S-60
LAN CARD Realtek PTL8029
Hub Pci FX055MC
ROUTER Yamaha RTA52i
SCSI Card Initio INIC-940
Card Reader MELCO MCR-S (SM CF共用)
ZIP IOMEGA 100
Scanner EPSON GT8500
Display NANAO FlexScan
Printer HP 720C

HDBENCH 結果

 
改造を思い立った理由
  1. CPUを本来の速さで使いたい
    CPUはPentiumIII800MHz(Coppermaine)であるが、M/B(MSI6163)がFSB133MHzに対応せず、600MHzで使っている。
  2. データ保存を確実にしたい
    デジカメデータだけでもすでに5Gbにもなっており、HDDに保存しているが、HDDの保証寿命3年と考えると、そろそろバックアップが必要である。これをRAIDでミラーリングにして対策としたい。
  3. ミラーリングの方法
    ・OnBoadマザーボード コスト的にも触手が動くが、Pentium-IV用のものが主体でCPUの購入が必要。
    ・WIN2000 ServerのSoft RAID機能を使う事が出来るが、10万以上するソフトの購入が必要。
    ・PCI接続のIDE RAID カードが安くなりミラーリング、ストライピングなら簡単に出来る。

改造方針

私の使用用途ではCPUは800MHzあれば十分であり、PentiumIVの必要性は感じない。ところがSLOT-1の800EB MHzが使えるM/Bはすでに市場から姿を消している。
ネットオークションでM/Bを探しASUS P3V4Xを購入し、これをベースに改造を図る事にした。

改造の主要点

  • M/B (オークション購入\4800)
    ASUS P3V4X Chipsetは VIA Apollo Pro133A搭載でRAMも2Gbまで搭載できる。 BIOSを最新の物にして、ボタン電池は交換する。このボードはシンプルな物で、周辺機器の接続にはカードをつける必要があるが、なまじOn Boadで色々ついているに比べて私には扱い易い。
  • メモリー
    WIN2000を使うので、メモリーは奮発する。 512Mbを新規購入(\4500)既存の128Mbと合わせて使用する。
  • リムーバブルHDD方式
    主OSはWIN2000であるが、古くから持っているスキャナー(EPSON GT8500)が対応しないので、WIN98/Meが必須である。今はソフトブートで使っているが、リムーバブルにしてOSの切り替えに使う。(将来の使い方もあるので)
  • CD-Rの新規購入
    現在のCD-Rは3年程前にバルクジャンクを捨て値で買ったもので、最近のCDドライブで認識しない事が時々ある。。また焼く時にはメールの巡回受信も遠慮しなければならない。。速度も8Xで遅い。たまたま秋葉でRICOHの7200Aが8K台であったので、衝動買いした。(X20,X10,X40の優れもの)
  • RAIDカードの購入
    ソフトRAIDの準備はしたものの、取り付ける周辺機器の関係から、IDEポートが足らないので、IDE RAID カードを使用することにした。これは最近玄人志向が\2800で発売しているが、このブランドはサポートしないので、オークションで購入を考え、ABITのHOT ROD100をゲットした。
  • その他
    Ether Card 100Base-T・・・・・ノートが100Baseだのに本機が10Baseなのが気になった。Intel Chipの物を購入。
    Slender Cable の購入。・・・・・ケース内の通気性向上の為。FD、IDE用を購入。これで様子を見てファンの回転数を落とし騒音減少を図りたい。
  • 将来計画
    RAIDは本来HDDを同時に2台動かす物であるが、スキャナー問題が解決したら、OSを常時接続にして、ミラーの1台をリムーバブルにして、時々バックアップを行う方式にしたい。私のデータ価値は時々のバックアップ程度で充分なので、RAID 1 に伴うHDDアクセス速度低下への対応と、省騒音と省エネを図りたい。

    リムーバブルも購入して準備が整ったところに見知らぬ人からメールが来た。
    GT8500をWindows2000で使っている方を求めてYahoo経由でFujii様のHPにたどり着きました。
    その後、一応取り込むことができるようになりましたのでご報告がてら、ご無礼かと思いましたがメールを送らせていただきました。
    とのこと。早速ドライバーをダウンロードしてインストールしたら、悩みのスキャナーがWIN2000で使えるようになった。従って、リムーバブルはRAIDで使う事とした。

改造結果

  • 組立て時の問題
    既存のM/Bを取り外し、新しいM/Bを取り付けようとしたが、後面のコネクターの部分がケースのプレートと競り合って、取り付けねじにうまく合わない。Freewayのケースであるが、プレートの厚みが少し厚いようだ。
    仕方なく、プレートを取り外して組み上げた。無くても使用は出来るが、埃の問題・ケース内の空気の流れを考えて、紙製の蓋を貼り付けようと思う。
  • 埃の問題
    ケース前面の吸い込みファンの前面フィルターはほとんど埃でつぶれていて、掃除機でも取れず水洗いとなった。ケースの排出ファン・電源の排出ファンは相当強力で、後面のボード周りにも埃が堆積していた。
  • インストール時の問題
    BIOS画面の途中で“Hardware Monitor found an error.  Enter Power setup menu for details。”と出てとまってしまう。 BIOSの Power setupを見てもわからない。F1で逃げながらインストールを終わり、じっくり調べたら、シャッシーファンの回転数が設定範囲を外れていたらしい。ここを無視する設定に変更して解決した。
HDBENCH

この状態でHDBENCHを計測するとこのようになって確かに以前よりは向上しているが、MilleniumG450、ATA100対応7200rpmのHDDを考慮すると性能が低い気がする。この改善に取り組んだ。

  • ChipSet用ドライバーのインストール
    M/Bの取説をよく見ると、最初にChipset用のドライバーをインストールせよとあるのを見落としていた。新しいものが良かろうとVIA technologyのWEBから「4 in 1Driver」をダウンロードしてインストールした。(IDE Filter Driver、AGP Driver、Via Inf Driverが必要とあり、IRQドライバーはWIN98には必要とあった)
  • マシンの状態検出ソフトのインストール
    マシンの状態を検出するソフトとしてM/BメーカーからASUS PC Probeが付属しているが、これはファン回転数が電源ファン、シャッシーファンともに設定値より低いところで回転しており、ソフト起動中はビープ音がなりつづけてやかましい。新ヴァージョンはこの設定値が変えられるが、1ヶ所のみなのでやはり鳴り続ける。
    ネットからWCPUIDと言うソフトをダウンロードして、これを使うことにした。
  • VIDEOドライバーのインストール
    最初のインストール時にMATROXから最新のドライバーを落として入れたはずなのだが、念のため再度ダウンロードしインストール。
問題点

この時点での問題点と対応策は次のとおり

  • IRQの割り付け
    IRQの状態を見ると差し込んだカードはすべてIRQ9に割り付けられている。
    これが諸悪の根源と思い、BIOS設定でIRQポートの指定を試みたり、PCIスロットに差しているカードの位置を変えてみた。マシンが起動しなくなるような設定まで試みた結果、WIN2000が立ち上がるとBIOS設定でのIRQは無視して右の状態にしかならない。
    ネットでASUS M/BのBBSを探し数千件の書き込みを調べた結果、WIN2000はIRQの振り分け管理をACPIがするので、BIOSで割り付ける必要が無いと言うこと。ACPIをDisabledにすれば割付可能であるが、止めた方が確実だと判明した。
  • AGP
    ASUSのマシン状態を表示するソフト(PC Probe)はAGPX2と表示した。HDBENCHのVIDEO項目は予想される値の1/2程度であるので、これが原因と考え調べてみたが、M/B、VIDEOカード共にAGPX4対応品だし、BIOS設定にも問題なし、ドライバーも最新の物だし打つ手が無い。上述のWCPUIDを探してインストールして調べるとX4と表示された。ASUSのバグであろうと言うことでチョン!
  • HDDの速度が遅い
    HDBENCHの比較ではこれまた他人より遅い。IDE Driverを変えてみたり、念のためHDDメーカーのWEBを探索したりしたが改善しない。
    結論は上述のBBSから、WIN2000はHDDが遅くなるのだと判明した。WIN98/Meに比べて堅牢さの代償なのであろう。NTFSにしているのも一因かも知れない。一日がかりで奮闘した結果得る物はここに書いたことだけでHDBENCHには反映できなかった。
    VIDEOが少々改善されただけですが、最終的なHDBENCHの結果はここに記載している。
やれやれ終わりました

右が前面の姿。リムーバブルHDDはATPIのSecondaryになっていて、HDDを操作できるように準備した。(FDISK、Format、PreInstallなど従来はその都度ケースを開けていた)

CD-Rは最新のCD-RWを購入したが、既存のものがもう少し寿命があるようなので、そのまま流用。

カードリーダーはデジカメのデータ転送用。コンパクトフラッシュは直接挿入。スマートメディア・メモリースティックはカードアダプターで使用(SCSI接続)

中は相当混雑してしまった。

ここにはまだRAIDカードが未着で差していないが、これでほぼ出来上がり。