その2

山西省太源

山西省は黄河中流にあり、黄土高原の東端に位置しており、所謂春秋時代の晋国です。ここには古代建築物の70%が現存していると言われるほど名所古跡に富んでいる。
また、山西省は「鐵と炭の邦」と言われるほど、地下資源に恵まれ、現在では石炭化学・製鉄業が盛んである。

太源(Taiyuan)は山西省の省都であり、古代中国時代から栄えた街で、3000年の歴史を持っている。 今回はここにある太源鋼鐵訪問と、郊外にある「晋祠」(Jinci)を観光した。

 

晋祠は晋国の始祖となった唐叔虞の祖廟で、現存の建物は宋代のものが一番古いそうであるが、何しろどれもこれも600年前だの、800年前だのといわれ混乱することしきり。女性の案内人を頼み、これがべらべら喋るのだがトンとなんのことやら。 現地の大学で日本語を勉強したという青年が通訳してくれたのだが・・・・。
晋祠水鏡台 入口の晋祠大門を入るとこの水鏡台です。この付近は昔はコンコンと水が涌き出る地域だったようで、水鏡台も“三晋名泉”という額が掛かっています。
明代に作られた舞台とのことです。
右下のお嬢がガイドで、甲高い声でしゃべることしゃべること。
水鏡台額と精緻な彫り物 水鏡台に近づいて見ると、この辺りに中国のイニシエの“芸”を見ることが出来ます。これらが何百年の間外気に接したまま年輪を重ねているなんて素晴らしい。
しかし、丸太の上半分には埃が溜まってる所はいかにも中国らしい。
Iron man 金人台にある、鉄製の人像。 宋代の鋳造で4体ありますが、これが表面肌の平滑さの点で一番出来の良いものです。
薄肉の中空の鋳造で、一体鋳造ではなく、部分部分を別に作り組み合わせてありますが、現代にこれを作れといわれてもちょっと二の足を踏むでしょう。

ともあれ古代の鐵の都にふさわしい芸術品です。 これがまた屋外にある所が素晴らしい。

 

聖母殿 北宋時代(1023〜1032)に創建された聖母殿(国宝)
しっとりとした佇まいで、近寄ると至る所に吃驚するような“芸”がちりばめられています。
魚沼飛梁 聖母殿の前にある魚沼に架かる石作りの飛梁(橋)と鉄製の獅子像。 いずれも北宋時代に作られています。 魚沼からも湧き水が出ており、橋は十字形の石を組み合わせた作りで、当時の技術の高さを示しています。鐵の獅子も素晴らしい。
魚沼飛梁の傾斜橋 飛梁(橋)は平面的には十字形ですが、左右の部分はこのように傾斜した作りになっています。鳥が飛び立つ翼に似ているので飛梁と名付けられています。
聖母殿の木製の龍 聖母殿の外廊の柱に巻きついている木像の龍です。
尻尾がちょん切れてる所を写していますが、このように分割して作り、差込で繋いで行った様子がわかります。
中国で柱に巻きついた龍はここだけだと言われて、つい写したものですが・・・・・

聖母殿の中には、粘土製の侍女の等身大塑像が43体あり、保存状態も良く当時の生活を見る事ができます。 財布を持ってるのでこの人は総取締りだとか、服装からこの人は掃除係だとか、この人は北方民族だとか、一つ一つ説明があります。

聖母殿の外廊には粘土製の巨大な像があります。木枠を組んで表面を粘土で仕上たもののようです。 中の女像を守っているのでしょうが、さすがに外気に当たるので色は褪せています。

聖母殿の粘土塑像

 

難老泉亭 難老泉亭
これは井戸の上に作られた東屋で“難老”と“晋陽第一泉”の額がかかっています。 難老とは老いることが無い=何時までも枯れない泉の意味だそうですが、近年地下水の使用が多くなり、水量は減ってきたそうです。

 

王氏祠 王氏祠
明朝の重臣王氏の祠廟。 この背後には彼が所建した晋渓寺院があります。