ケンコー「ミラーレンズ 500mm F6.3 DX」  
D70とD300を比較試写して当面D70を使い続けることにしたが、高木の花を撮るために、現在の300mmズームより長い焦点のレンズが欲しくなり、500mm(35mm換算750mm)のレンズを購入した。とは言えまともなレンズは車が買えるほどの価格、三脚必須の長さと重さなので、右のような反射式のレンズにした。KENKOのラベルはあるがMade in Koreaである。KENKOの品質管理に期待しよう。

このレンズは絞り固定なので、露出設定は、シャッター速度とISO感度で設定せねばならず、自動撮影は出来ない代物である。D70は液晶モニタサイズが小さいが、撮影直後に 白飛びのチェックを行い撮影条件を修正出来るので、慣れればこれで充分である。 なお、ヒストグラムのチェックでは部分的な白飛びは見つけられない。
接眼部に着けているのは画面を2倍にするDG-2である。

  焦点距離

撮 影 条 件

サムネイル

1 18mm
換算27mm
D70の標準レンズAF-S NIKKOR 18-70mm 1:3.5〜4.5G使用
偏光フィルタ 1/2000 F5.6 露出補正-0.3 ISO800
撮影画像をトリミング無しに900*600にリサイズ
2 70mm
換算105mm
D70の標準レンズAF-S NIKKOR 18-70mm 1:3.5〜4.5G使用
偏光フィルタ 1/2000 F4.4 露出補正-0.3 ISO800
撮影画像をトリミング無しに900*600にリサイズ
3 300mm
換算450mm
AF NIKKOR 70-300 1:4-5.6G使用
偏光フィルタ使用せず 1/5000 F5.6 露出補正-0.3 ISO800
撮影画像をトリミング無しに900*600にリサイズ
4 同上 写真3の中央部を切り出したもの
意外にノイズが少ない。RAW画像の現像時に明度を上げるのが悪いのかな?白飛びを避けるために露出補正を-0.7にしていたが、これを-0.3に変更したが望遠では不要か。
この電柱までの距離は210mである。
5 同上 写真3の左下を切り出したもの
6 500mm
換算750mm
Kenko Mirror 500mm 1:6.3DX使用
偏光フィルタ無し 1/4000 F6.3 露出補正-0.3 ISO800
撮影画像をトリミング無しに900*600にリサイズ
7 同上 写真6の中央部をほぼ4と同範囲に切り出したもの
4に比べて背景にノイズが多い。RAW現像時に明るさを調整したためかも知れない。視野範囲が狭いのでそれに応じたシャッタ速度の選定が必要なのかも。
8 同上 1/1000、露出補正-0.3、ISO 800
同じ被写体を翌日撮り直したもの。ノイズ減少を期待して露光量を増やした。ピント合わせを5回行いそのうちの最良のものである。背景暗部のノイズも気にならない。
反射型特有のボケがはっきり見える。
9 同上 写真6の左下をほぼ5と同範囲に切り出したもの
5に比べて色調がやや異なっている。写真3と6では撮影時間間隔が40分ほどあるので、その間に色温度が変わったのかも知れない。
500mmレンズの実写テスト(手持ち撮影 、13を除き撮影画像をそのままリサイズしている)
10 1/500、露出補正-0.3、ISO 800
反射レンズ特有のリングボケが見られる。偏光フィルタを手配中だがフィルタによってこれがどの位軽減できるのだろうか。ヒストグラムを見ても、まずまずの露出である。
11 1/500、露出補正-0.3、ISO 800
同じくリングボケが見られる。現像時に若干明るさを変えたので、ヒストグラムに僅かな乱れがある。
12 1/640、露出補正-0.3、ISO 800
野津田神社のタブノキ。この木は離れた所からしか写せない。花は2〜3mmの大きさと思われ、300mm望遠でははっきり写せない木の一つ。照葉樹なので、葉からの反射も きつくヒストグラムを見ても飽和している。5月の開花時期に偏光フィルタを使用して花を撮る下調査にはなった。
13 1/640、露出補正 0、ISO 800
野津田神社のヤブツバキ。この木も花が撮り難い木である。下の方は日陰になるし、日の当たる花は高い所にある。照葉樹なので偏光フィルタは必須。この写真は撮影画面の1/3(辺の長さ)を切り出したもの。 この程度のヒストグラムならノイズはさほど気にならない。

偏光フィルタの効果
ツゲは照葉樹なので、木の葉からの反射光で偏光フィルタの効果をチェックした。偏光フィルタを付けて偏光調整を行い、シャッタ速度を変えて葉からの反射光が白飛びしないシャッタ速度を求めた。(写真14) 偏光フィルタを外し写真14とほぼ同じ露光になるシャッター速度を探した。(写真15)写真はトリミング無しにリサイズしたもの。

14 偏光フィルタ使用、1/1000、露出補正:0、ISO:800
白飛びはほとんど無い。リングボケは少々目立たなくなる。
RAW画像現像時に明るさを調整すると白飛びのない写真が得られる。が、明るさ調整したものは、部分切り出しをすればノイズが目立つ。
15 偏光フィルタ不使用、1/4000、露出補正:0、ISO:800
これでも白飛びは写真14より多い。ヒスとクラムには中央の葉からの反射は白飛びしているのだが面積率が少ないからか出てこない。 (偏光フィルタの減光量は2段と言うこと)
16 偏光フィルタ不使用、1/1000、露出補正:0、ISO:800
写真14の明るさ調整したものとほぼ同じ写真は1/1000で得られた。 この場合には部分切り出しをしてもノイズは気にならない。しかしながら、白飛びが目立ち私の好みではない。
 試写の感想  
  ピント合わせ 500mmともなるとピント合わせは非常に困難である。ファインダーのみでは心許ない。  窓枠にカメラを押しつけ固定し、ファインダーに取り付けて2倍に拡大出来るマグニファイヤーDG-2てピントを合わせても、しっかりとピントが合うのは1/5ショット程度である。これには驚いた。
  手振れ 写真1〜9までは、窓枠に鏡胴を押しつけて撮ったが、それでも ピント合わせ時に画面が動きピント合わせもままならない。ピントか手振れか判断の付きにくいぼけた写真が沢山撮れる事だろう。
写真10〜13は三脚無しで、あり合わせのものを利用して手持ちでトライし たもの。私の技量ではシャッターは1/500以上が必要と分かった。ピントと手振れで使える写真は1/10程度であった。
  焦点深度 反射型なので致し方ないが、絞り固定なので焦点深度は極めて浅い。花を狙うのが目的なのだが下手の鉄砲でやるしかなさそうだ。 浅い焦点深度の点から、遙か離れた花しか使えないかも知れない。
  偏光フィルタ このレンズにも偏光フィルタを付けたいのだが口径95mmとなればこのレンズの数倍の価格。また光量が減るので手振れの危険性も増す。 一方で明るい被写体の場合には、シャッター上限は1/8000なので減光フィルタも欲しいが調べた所95mmの減光フィルタは見つからない。偏光フィルタは減光にも使えるのだが・・・。 結局購入手配をしてしまった。 このレンズはピント合わせ時前面レンズが回転するので偏光フィルタも一緒に廻る。従ってピント合わせしてから偏光調整をしなければならない。
  ボケ味 反射型特有と言われるボケが出る。一つは二線ボケで写真8・13のバックや写真14・16に現れている。最も目立つのは 写真10・11等のバックに見えるリングボケである。リングボケは反射光の場合には偏光フィルタにより若干は軽減する。
  ・ ・ ・ ・ ピント合わせ、露出設定など全て手動で行う必要があり、オタク向けのレンズである。シャッターを押せば一応の写真が撮れる最近のカメラに慣れた人には向かないだろう。露出計もないフィルムカメラで撮りまくった経験と、サンデー毎日で有り余っている時間を活用し暫くは楽しめそうだ。