NIKON Capture NX によるRAW写真の現像

NIKON Capture による写真の編集 でRAW画像の取り扱い法を述べたが、その後NIKON Capture NXが発表され、これを使っていた。 最近RAW画像を使う人が増えたので、NIKON Capture NX を使っての私の現像法をここに整理・記録した。 
最近のNIKON一眼デジカメのRAW画像は Capture NX2 を使うようになっている。私の愛機D70(CCD)を乗り換えようと思い、最近の物(CMOS)と撮り比べてみたが、さほどの優位性が認められなかったので、カメラも現像ソフトもそのまま使い続けている。
前提となる撮影時のカメラ設定

私は全ての画像をRAWで撮っているので、カメラに備えられている種々の修正は全てしない設定にしている。(撮影モード、ノイズ除去、ホワイトバランス、仕上がり設定など) これらは全て現像ソフトで修正できるものなので、カメラ内蔵のソフトを使うより現像ソフトに頼る方が確実だと思うからである。
ピント合わせと露出設定は中央重点にしている。これはファインダーで被写体を狙うとき、中央に持ってくるのでこのようにしているが、この場合中央以外で被写体より明るいものがあると白飛びになりやすいので、露出補正を-0.7にしている。  風景写真とか集合写真には複数のポイント設定が良いのかも知れないが、その都度変更するのをつい忘れるので・・・。 露出補正についてはここに記載している。

NIKON Capture NX による現像手順

1)白飛びのチェック
RAW画像をCapture NXで開く。  このレンズは反射式望遠レンズで、絞りは固定、露出設定はマニュアルしか使えない。 (F/6.3固定、ISO:800、1/500sec、偏光フィルタ使用)

表示(赤線)のプルダウンメニューから白飛び表示を選択するとその画像内の白飛び部分が表示される。

この写真では白飛びが発生しており失敗作である。(露出補正:-0.3)  撮影時にこのように白トビした物は、どのように補正してもこの部分のディテールは、データにないので如何ともしがたい。 白トビ部が写真の主体で無い場合には、修正できる可能性はある。(5 部分的な補正参照)

2)白飛びのない画像を選び、明るさの調整をする。
この写真は白飛びのない写真である。 露出補正-0.7、シャッター優先オートで暗めに撮っているため、全体に暗く沈んでいる。(ISO:200、F/4.5、1/800sec、偏光フィルタ使用)

白飛び表示にして、「調整」「明るさ」をクリックしトーンカーブを出し、白飛び画面に白飛び部が出るまで赤印の白三角をスライドさせる。 この写真の場合232で中央部に赤のインジケートが出た。(白トビ寸前の状態) 、ほんのちょっとしか最明部を扱えないと言うことは、暗めに撮ったことが正解だったと言うこと。

白飛び表示を消して画像画面にして明るさ調整をする。この場合白三角のスライダーを動かしてはならない。中央の灰色のスライダー(赤印)のみ動かすこと。

3)色温度の調整

上述のサクラの写真は色温度がややずれている。私は原則「オート」にしているのだが、同一環境で沢山のショットをすると、時々色温度ずれが生じる。最新の カメラなら起きないのかも知れないが・・・。

この写真では、トーンカーブで、「青」を選択し(赤線)、スライダー中央部をわづか調整し青を強調した。

ついで「赤」を選択し(赤線)、スライダーを移動し赤を弱めた。 感覚的なものだがOKをクリックすれば終わりである。

以上の結果として得られた画像である。

カラーバランス調整には、上記のほかに「コントロールポイント」「ニュートラルコントロールポイント」を使用する方法もあるが、撮影した画面上に適当なグレー部分がないことが多く私はここに述べた方法を多用している。

4)水平(垂直)を出す
建築物などを撮影するときカメラを水平に構えたつもりでも斜めになることがある。 画像を扱うソフトには一般的に画像を角度入力で回転できるようになっているが、一発で決まることはない。 Capyure NX では簡単に修正できる。
写真を出して、赤線部をクリックして、垂直或いは水平にしたいところに引くだけで自動的に修正してくれる。

この場合クレーンから降りているワイヤーに沿って線を引いた。 角度は2.25°とのことだが、角度記入ではこんなに簡単では無い。 OKをクリックすれば傾き調整は終わりである。

以上の操作で、私の行っている現像操作の8割ほどはカバーしている。とにかくRAW画像で可能な限り修正してリサイズも行ってJPEGで保存すれば画像の劣化は最小限で済むはずである。 JPEG画像を修正して再度JPEGで保存するのは画像の劣化が生じるので好ましくない。

5)部分的な補正 (明るさ)
次の写真には中央部にテントで覆われて補修中の展示物があり、このテントの部分は白トビし始めている。 (ISO:800、F/6.3、シャッター優先オート 1/1000sec、露出補正無し、偏光フィルタ使用)

白トビ表示にして、トーンカーブを出してみるとこの白トビ部分が影響して画像全体が暗くなっている。このままでトーンカーブ補正をすると中央のテント部分が完全に白トビして「絵」にならない。

カラーコントロールポイントをテント部に置き(下図の白丸)、影響させる範囲(1のスライダ)を小さくし(この場合11%)、明るさを(2のスライダ)を適当に暗くした(この場合-38%)。

上記修正で白トビし始めていたテント部は暗くなり白トビを免れたので、白トビを防ぎながら全体の明るさを調整できる。

そのままでは、空の青が自分のイメージより明るくなりすぎるので、空をカラーコントロールで微調整した写真である。