現在一眼レフとコンデジを使い、WEB記載の写真は殆ど一眼レフのもので、コンデジはメモ代わりに使っていた。このたび東南アジアに行くことになり、高機能コンデジが欲しくなり、検討の結果CANON PowerShot S100
を購入した。 このカメラのAUTOはISO感度を初めとして全ての撮影条件をカメラ任せにしなければならず、露出補正も使えないのでプログラムモードで撮影することになる。
プログラムモードにも露出を自動で設定するプログラムAEモード、の他にシャッター優先モード、絞り優先モード、マニュアル設定の4方法がある。これ
らについてのアルゴリズムが分からないのでテスト撮影で確かめる必要が生じた。
プログラムAEモードはISOと露出補正のみ設定し後はカメラ任せである。 他の3方法はISO・露出補正に加えてシャッター速度と絞りを設定することが出来る。露光量の調整範囲としてはシャッター速度の方が広いので私はこちらを主に使っている。
最適露光は白飛びをしない露出条件を求めることと思っている。白飛びが発生すると、全体の色バランスを崩すしメリハリの無い画像になってしまう。
露光量の設定にはスポット測光、中央重点測光、評価測光があるが、白飛び部分を少なくする目的から評価測光を採用した。
撮影データは現像の手間は掛かるが、手を加えても画質劣化の無いRAWとしたが、慣れているNIKONのものと操作法が違い戸惑うことが多いが慣れるしか無いだろう。
S100の状況把握のためのテスト撮影
GPSテストも兼ねて近所を歩きながら撮影したものから白飛びの状況をチェックした。いずれも露出補正-0.7である。
設定方法 |
シャッター優先 |
プログラムAE |
ISO |
400 |
400 |
400 |
絞り |
F5.6 |
F7.1 |
F4.5 |
シャッター |
1/500 |
1/1250 |
1/1250 |
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コメント |
周囲(特に左側)が暗いためか明部は白飛びしている。中央重点測光なら防げただろうが・・・
近々PLフィルターが入れば再テストしたい。 |
同位置から6秒の間隔で撮したものだが、右の写真は絞りが変わったために、空が白飛びしている。近くに位置していた車両が無くなり露光量を増やしたのだろう。 |
その後テストを重ねたが、プログラムAEモードでISO感度を400以上に上げたものは、白飛びの頻度が上がり実用にならなかった。絞りはまだ余裕があるのに絞り切れていない状況である。
プログラムAE (暗い状況下)
積雪の屋外夜間をプログラムAEでISOを変えて絞りとシャッター速度の変化を調べた。(露出補正-0.7、RAW撮影)
ISO |
100 |
200 |
400 |
800 |
1600 |
3200 |
6400 |
絞り |
F2.0 |
F2.0 |
F2.0 |
F2.0 |
F2.0 |
F2.0 |
F2.0 |
シャッター |
1 sec |
1 sec |
0.8 sec |
0.4 sec |
0.2 sec |
0.1 sec |
1/20 sec |
コメント |
暗い状況なのでISO感度を6400まで変えても、絞りはF2.0
(開放)のままでシャッターのみが変化した。露光量はISO400から高感度側は一定なので。ISO100と200はカメラの判断としては露出不足となっている。
特筆すべきは、ISO6400でもノイズが少ないこと、ISO100のものでも門灯と右端の街灯は白飛びしている。
コメント欄の下はISO100 のものを現像時明るくしたもの。(私ならWEBにこれを使う) |
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省略 |
省略 |
省略 |
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プログラムAE(明るい状況下T)
積雪の昼間をプログラムAEでISOを変えて絞りとシャッター速度の変化を調べた。(露出補正-0.7、RAW撮影)
プログラムAE(明るい状況下U)
上述の状況ではプログラムAEの露出設定に関するアルゴリズムが今一分からないので、ISOを変えて絞りとシャッター速度の変化を再度テストした。(露出補正-0.7、RAW撮影)
併せてGPSの標高表示のばらつきも調べた。
プログラムAE(日陰)
GPS機能 (バッテリの消耗は早くなるのだがおもしろい機能が付いている)
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このカメラにはGPS機能が付いている。この機能を設定して歩きながら写真を撮り地図上に表示することが出来る。(同時に海抜高度も測定している)
この地図ソフトには全世界の地図があるので、なじみのない場所でも位置情報は撮れるはずで旅行を楽しみにしている。 |
偏光フィルター効果
一眼レフの全てのレンズには偏光フィルターを付けているが、コンデジにはフィルター取り付け用のネジが無いので、手持ちでセットし調整するしか無いが、反射光を抑える効果はあるので状況に応じ使うことにしたい。 輸入品の安価なものを購入したのでテストした。 アンコールワットの石像などで反射がひどければ役に立つのでは無かろうか。
ここまでの結論
プログラムAEは絞りとシャッター速度設定のアルゴリズムが今ひとつ分からない。従って実際にはシャッター優先モードを使い、露出補正と高速シャッターで露出を抑えた撮影をすることにしたい。従って絞りは開放側で使うことになるが、コンデジは焦点距離が短いので焦点深度が問題になることは無いだろう。
ISO100〜200でメモ的用途にはプログラムAEで、綺麗に撮りたければシャッター優先にして撮影直後の画面のチェックを念入りに行うしか無いのだが、白飛び表示が小さな画面で見にくいのが欠点だ。 |