中国の印象(その1品質管理)    その2  その3  その4
 

2007/11/1
 


中国も、作れさえすれば価格コスト競争力で売れる時代から、品質をセールスポイントとする時代に入りつつあり、品質管理の重要性が認識され始めた。
僅かな滞在ではあったが、今回もまた種々の品質問題に遭遇した。(以前に比べて格段に少なくはなっているが・・・)
 
1)まずは就航開始1ヶ月の羽田〜虹橋の機内から
 
往路のスナックに付いていた醤油パックの開封問題  
 


マークから破り始めて三角形に開封した(写真左下部分)が醤油の出口が完全に開かず醤油が出てこない。
隣席の人はこれに取り組んでいたが、結局力を入れて無理矢理開封した途端に醤油が飛び散った。
通常三角形に開封するとそこには小さな通り道があり、内容物(醤油)がその通路を通って適当な量が流れ出るべきもの。
仔細に見ると通り道らしき物はあるのだが機能していなかった。帰路の機内でもこの醤油パックがトレイにあったがチェックしなかった。

ミルクパックの開封不良。  
 
コーヒーに付いていたミルクの開封で写真のように途中から蓋部分が破れた。機能的には問題はないのだが、開封すれば綺麗に開いて欲しいもの。接着強度のばらつきであろう。

ちなみに、帰路の機内ではミルクと砂糖を頼んだら、コーヒーにミルクと砂糖を入れた物を渡してくれたので、検証できなかった。

     
2)ホテル客室での水回りの問題

数年前にオープンした江南水郷の建築スタイルで静かな環境の高級ホテルに2泊した。 写真は風呂・洗面・シャワー・トイレの区画であるが、私が田舎者で使い方を知るのに少々手間取った。 田舎者丸出しになるが、バスタブの栓は一度押し込むと閉まり、再度押し込むと開く。開閉の操作を知るまでそこにあるレバーなどを動かし、シャワーから水を浴びたりした。

  ここで2件の水回りのトラブルに遭遇した。

洗面タブの水栓は湯水混合栓であるが、使用後止めてもバルブからの水漏れがありぽたぽたと水滴が落ちた。

  また、バスタブに湯と水用のバルブと、シャワー用のバルブがあるが、このシャワー用のバルブが簡単に取れてしまった。

この写真の左の方に、水と湯と別々の栓があり、洗面台と違って混合栓にはなっていない。考えてみれば当然のことだが、水を出している状態にしておかないと、このバルブを操作してもシャワーは出ない。何も動きがないので力を入れたらバルブの頭が取れてしまった。 「開」の状態で取れたのだろう水を出したらシャワーをかぶった。

この2件は翌朝出かけるとき、フロントにこの写真を示して話したら、2泊目には直っていた。一見高級感のある設備ではあるが、些細な点でも失点は反動的に感じられ少々がっかりした。
     
私の友人が工場の事務所を建設中なので部品の品質の良い物を使うようにとこの話をしたら、「事務所の窓枠にYKK製を使いたいと考えたがYKK製は台湾製より50%高いので価格で決めた」と言っていた。
そのほかにも高級ホテルや高級賃貸マンションを建設なり計画中なので、品質重点でパーツを使うように勧めたが実際にはどうなるものやら・・・。

このような話も織り込みながら、設備の進歩により製造品質は向上して従前の品質であれば殆ど問題なしに作れるようになっているが、目標とする品質をより高く設定し、常に手を抜かずにスキルの向上を図らねばならないという話をした。
  操業現場で気になる点はデジカメに記録し、プロジェクターで示しながら説明できるので説明する方も聞く方も楽な時代になった。

その一例を示すが、写真は伸線機の一部であるが、中央のボックスが潤滑剤の粉末とダイスを納めたダイスホルダーである。

線の引き抜き作業の原則はダイス前後の線が一直線でなければならない。

 

  ところがダイスホルダーの入り口を斜め下方からみると、写真のように入り側の線はホルダー入り口の孔の中心を通っていないものがあった。
構造的にはホルダーの孔とダイス中心は一致しているわけで、この状態では線はダイスに対して傾いた角度で通過していることになる。

通常製品には影響は出ないが、線内部の歪みは均一にはならない。 用途によっては均一な内部歪みを要求され、その場合には問題になる。

この会社の優れている点は、操業を始めて10年ほどだが中間管理者が何時行っても変わっていない点で、高校にも行っていないレベルではあるが、次第に質問レベルが上がっていることである。(聞いても俄には判らないだろうが)内部歪み、結晶粒の成長、相変態などを説明に加えなければならなくなった点に感心している。