町田市内 街角のアート

2012年6月23日に新しい市役所が落成した。当日の市民見学会に参加したとき、庭に置かれた佐藤忠良作の女性像を見つけた。 この像は前市長 時代に購入したものと聞き、このほかにも購入したらしいとの情報を得たので市内にあるこれらアート作品を見つけ関連情報を調べることを歩きの目的とすることにした。
事前にネットで調べられるものからスタートし、あとは情報源を広げて作り上げたいと思っている。
 

佐藤 忠良 作

若い女・シャツ 所在地:町田市役所庭
この像は町田市立室内プール入り口あったものを市役所新設に合わせ移設したもの。   この作品は調べた範囲では国内に7個存在している。
 

井上 久照 作

春を待つ 所在地:町田デザイン専門学校入り口
作者については WIKIPEDIA に出ているが、町田市在住の彫刻家である。 左端の写真にあるように1992年の作品である。
 

朝倉 響子 作

WOMAN 所在地:小田急駅前広場
 
以前は広場内にあったと記憶しているのだが、広場の片隅に喫煙場所が設けられそこに移設されている。  この女性はよほどタバコが好きなんだろう。  銘板がないので作者が分からない。鋳物なので同一の像が複数造られていると思うのだがネットで見つけるのは難しい。
小田急百貨店所有と判明し作者と題名が分かった。 Womanという作品は神戸や武蔵野市にもあるが同名異物でこの形のものはネットでは見つからなかった。 作者についてはここに

赤川 政由 作

コロンブスとたまご 所在地:町田市原町田4-11
     コロンブスビル

作者のWEBサイトにこの作品について次の記述がある。
町田駅近くの商店街に立つ、とあるビルのオーナーの依頼でつくりました。 このビル内には司法試験の予備校が入っています。そこに集う若者たちへのメッセージを込めたモニュメントです。 コロンブスの卵とは、即ち「発想の転換」。 凝り固まった考えに陥らず、大きな志をもって夢に向かう。 遠くを見つめるコロンブスの目差しに、若者の姿を重ね合わせました。 この界隈は多くの店が密集し、ちょっと雑多な印象がありますが、この像が建つ一角だけはポカンと広場のようになっています。 この「抜けた」感覚というのも、町の大切な要素だと思います。(1996年・赤川政由)
ビルの補修工事中でまともには撮れなかった。工事終了後に再度撮る予定だ。  12/26の前を通りかかり撮影出来た。

工藤 健 作

肩車 所在地:町田市立中央図書館前
 
この作品は墨田区の東向島北公園にもある。
工藤 健は現在多摩美術大学名誉教授でネットで調べると、ブロンズなどの金属鋳造の公開講座を開いたりしている。
現代日本の美術OnLineによると、略歴は次の通り。
1937年秋田市生まれ。東京芸術大学大学院彫刻専攻科修了。61年より二科展に毎回出品、特選、金賞、文部大臣賞、会員努力賞等受賞。67年ユーゴスラビア彫刻シンポジウム招待制作。82年高村光太郎大賞展特別優秀賞、92年現代日本具象彫刻展大賞等受賞。個展2回。現在二科会理事、多摩美術大学教授。
オシップ ザッキン 作 「アポリネール記念碑」のための習作 所在地:町田市立中央図書館入り口
WIKIPEDIA から要約:
 ベラルーシ出身の彫刻・画家でフランスで活躍中に藤田嗣治と知り合い、二科会外国会員として二科展に出品を続けた親日家で多くの作品が日本でも見られる。
 

二田原 英二

飄孤粛々 所在地:町田市市民文学館
この像について作者の二田原が謂われを述べたものが像の横に立ててある。(右端の写真)遠藤周作は玉川学園に住んで亡くなったとのこと。 その後多くの作家が住んだ町田に文学館を設立する気運が高まり(開設準備懇談会の会長は森村誠一)この文学館が設けられ、遠藤周作の軽井沢の別荘からこの像が寄贈されたらしい。
 

綿引 道郎 作

詩人−心魅かれるもの それは 所在地:町田市立中央図書館裏
ネットで市立図書館の裏口近くにあると云うことだったが見つからなかった。Google Map の StreetView で見つけ再度訪れて撮影したもの。 相当気をつけて歩かねば見つけにくい。
銘板が綿引道郎と読めたのでネットで検索し、これを見つけた。 そこには次のような紹介文があった。
先生は1942年東京生まれの69歳。東京芸術大学にて鍛金を学ばれ、そこで修得された高度な技術に より、橋梁建築鋼材としてもっぱら用いられていたコールテン鋼を素材に した具象彫刻の独自の世界を切り拓かれた。
また、綿引が始めた鍛金技法についてはここに詳しく記載されている。 耐候性鋼を使っていただき鐵屋としては嬉しい限りだ。

六崎 敏光 作

であい 所在地:町田市立図書館裏
     
上述のスチールオブジェクトのすぐ近くで見つけたもの。
六崎は現在一陽会所属で茨城一陽会のWEBに略歴紹介がある。この作品は複数個作られたようだ。

北村 西望 作

花吹雪 所在地:町田東急ツインズ前
 
銘板が「花吹雪」と読めたのでネットで検索したら、蓼科高原藝術の森彫刻公園に同じものを見つけ、作者が北村西望と判明した。 この作品は札幌にも設置されている。 日彫展の特別賞に北村西望の名を冠した「西望賞」があり、八王子市はその受賞作を毎年買い取り片倉城址公園に設置しているとか。 
 

舟越 保武 作

笛吹き少年 所在地:町田市立中央図書館エントランス

図書館周りは撮し終わったと思っていたが、たまたま調べ物があり図書館に入ったら、エントランスにこの像を見つけた。
作者についてWIKIPEDIAで調べた。 市役所庭の佐藤忠良とともに戦後日本を代表する彫刻家とのこと。 この像と同じものが5箇所は見つかった。 鋳物だからどうしても複数作るのだろう。

笹戸 千津子 作

長衣の女 所在地:町田市中町2丁目20-3
   



台座のサイン

時々乗るバスの車窓から見つけていた立像を歩きの道順を変更して立ち寄った。 作者の 笹戸千津子 をWIKIPEDIAで調べると、このページ最上段の佐藤忠良の一番弟子でもあり、彼のモデルを30年も続けた人とのこと。
この「長衣の女」は少なくとも北九州市と新居浜市に設置されている。 なおこの像が置かれている四階建てのビルは東京ビジネス外語が入っていたのだが現在売りに出されて おり、買い手次第ではこの作品は移設される恐れもある。

ここに記載の写真を撮ったのは 2014年9月11日 だったのだが、9月30日に通り掛かったら、もうこの像は撤去されていた。

町田のこの作品には付いていないが、新居浜市に設置されているこの像には作者の次のコメントが付いている、
「現代をいきいきと生きている女性の内に秘めた、たくましさ、優しさを像に語らせることができればと「長衣の女」に想いを託してみた。 ここを訪れる人々とともに、この女性が憩いながら爽やかな空間をかもしだしてくれればの願いを込めて」 とあるようだ。
 

その他市内散策で見つけたものをここに纏めた。主として記念像やオブジェであるが作者不明のものが多い。

金井遊歩公園

金井関山川島緑地

市役所 庭

原町田4丁目

原町田5丁目

 

 
金井土地区画整理事業完成記念 土地区画整理事業完成記念碑とその近くの像(アルミ合金?) 昭和45年庁舎建設時、相原地区から寄付をした記念の像 年末セールの時期だけなのか。歩きの途中で見つけた。 町田のマンション入り口のライオン像(マンション名がライオン)