恩田川

恩田川は鶴見川の大きな支流の一つで、町田市本町田を源流とし横浜市で合流している。　自宅に近いところに源流があるので、鶴見川水系の続きとして歩くことにした。

地図で調べると、恩田川の源流は本町田の今井谷戸付近らしい。今井谷戸は地勢的には典型的な丘陵の谷間即ち「谷戸」であり、ここにある案内図で上方に向いている道路のみがフラットで他の道路は全て下って来ている。　地図によると源流はこの案内図で現在地の右にあるようだ。　この地図のピンクの部分は団地で、団地による開発が里山を変えたことが推察される。　それにしても地図は上が北と思い込んでいる私は古いのだろうか。

道路に沿って右方に歩くと側溝に水が流れ始めているところを見つけた。このあたりは下水道完備の地区なので生活排水ではなく湧き水と思われる。その他にも側溝はあるがいずれも水は僅かなものであった。

道路の下を通って出るはずの水を探したが見つからず、150mほど下がったところでこの標識を見つけた。　この「図」によると、源流は鎌倉街道を横切って北に延びている。　上の写真はこの図の今井谷戸の信号から左に曲がったところである。
この仲良し散歩道は薬師池へと繋がるそうだが、薬師池は違う水系であり雨水幹線をを通すというのは理解できない。
これについて検索し次の資料を見つけた。薬師池までではなく鎌倉街道沿いに今井谷戸より僅か伸びるだけのようだ。（新世代下水道支援事業制度平成15年度採択箇所23カ所の一つ）

川は下に潜らせ遊歩道にしてある。またここに並べてあるソーラーセルはそれぞれのポールに付いている照明用とのこと。ちょっとやり過ぎの感がする。

この遊歩道の外れでこのように水は流れている。このあたりで側溝の幅は約3mである。　川の水量は隠れる前に比べて増えている。

ひなた村と称する公園入り口の「ひなた橋」であるが、この橋の手すりはステンレスである・・・。
30年ほど前にステンレスを景観材として用途開発をしたいと熱を入れたことを思い出した。　ステンレスの利点が普及したのだと感無量。

今井谷戸から約1.5Km下がった日向台近くのこの橋が恩田川の上流端である。ここはしょっちゅう車で通るのだが知らなかった。左上の表示板には一級河川おんだ川上流端とある。

更に100mほど下った稲荷坂橋から両岸の遊歩道が始まる。町田市の標識で「起点」とあるのは遊歩道のことか。

大谷一号橋から見た上流。左右に並ぶのは本町田住宅。

桜橋にあった鳥の飾り物。ステンレスではあるがやり過ぎの感がする。

小田急と恩田川。　このあたりで川幅は約12m。

南大谷中学校横付近。前から感じていることだが、町田市内（と言うより東京都南多摩東部建設事務所管轄範囲）では、このように川に草木が生えている。ここに放棄されたビニール袋などが散乱し見苦しい。神奈川県に入るとこのような草はほとんど見あたらない。　

川の中に生えている草は意図的に生やしている証拠を見つけた。これは高瀬橋の上流側で見つけたものだが、蛇篭に小石を詰めて沈めてある。蛇篭は昭和30年代から40年代にかけて河川の改修のために膨大な需要があり、その材料の線材をせっせと圧延した懐かしいものである。このようにして環境の再現を計っているのだろう。

蛇篭の反対側には捨て石？が並べられてあり、このように上流側から雑草が生えている。

高瀬橋の水位計。これによると4mで橋桁の直下まで水位が上がる。5.5mでオーバーフローすることが分かる。

高瀬橋から見た下流。ここから下流には両岸に桜が植えてある。（神奈川県境までであるが）

二反田橋の下流であるが、ここにも蛇篭を使って植生を図っているが、心ない人が自転車の捨て場にしている。

成瀬中央橋から見た下流。桜の時期は見応えがあるだろう。後ろの隠れているのは市立総合体育館。

町田市最後の橋「都橋」から見た下流。　遊歩道もここから100mほどで終わる。このあたりで川幅約20mである。

都橋から110m下流で神奈川県に管轄が移る。桜も遊歩道もここで終わりとなる。ちなみにこの後ろ側に町田市の下水処理場がある。　恩田川の流域は100％下水化されており、生活排水は川には入ってこない。とは言えこの流域の生活排水・汚水はここにある汚水処理場で処理され、この川に流されるのであろう。何となくすっきりしない話だ。

上の写真から約6Km下流で鶴見川と合流する。写真の上から流れているのが鶴見川、下を左から右に流れているのが恩田川、ここが恩田川の終点である。