尾根緑道のサクラ (戦車道)

尾根緑道は町田市内を東西に走る多摩丘陵の稜線上にある尾根道。かって 相模原にあった陸軍造兵廠で製造された戦車のテストコースとして作られたが十分に利用する前に終戦になったもの。これを町田市が借り受け 散策道として整備を続けている。現在は約10Kmほどが供用されているが、計画では町田市最西端の大地沢まで約20Kmを整備するらしい。 この道路の東端から約1.5Kmに桜が植えてあり、桜祭りなどで賑わうところ。
 
現時点での尾根緑道全体図。(クリックすればおおきくなる) 東の桜並木、それに続くケヤキ並木、中央部の小山内裏公園から16号線までと大きく3つに分かれている。
 
これは尾根緑道の東の桜並木の部分の配置図である。この部分が約1.5Km。
 
千葉県佐倉市の城址公園のさくらまっぷと言う素晴らしいパンフレットを入手したので記載した。 作れる可能性は少ないが私も尾根緑道のサクラマップを作ってみたいもの。
 
上の配置図に続く案内図は何処にも見あたらない。下の案内図まで約1.5Kmはカエデが並んでいる道である。

これは小山内裏公園と16号線までの西の部分である。内裏公園から西の部分は整備が不十分である。約6Km。
 
尾根緑道の東入口の近くに「大賀藕絲(ぐうし)館」がある。藕絲とはハスの茎から抜き出した細い糸のことで、これを紡いで織ったものが藕絲織。縄文時代のハスの種から栽培された大賀ハスと藕絲織を結びつけて障害者の働く場として設けたもの。 「大賀藕絲館のパンフレット(840KB)
ソメイヨシノ満開の尾根緑道 2008/4/1
尾根緑道の途中から見えた丹沢山塊越しの富士山 2008/4/1
尾根緑道に植えてある桜の種類と特性の掲示板。(但し1985年当時設置のもの)

上のリストにはない次の2品種を見つけた。
  カタオカザクラ これは1945年長野県塩尻市片丘の山林で発見されたが、その後自生地が山火事で焼失し幻の桜となったもの。 東大付属植物園に移植されていた一本の木から育成した桜が片丘に送られ再生が図られた。 ここにあるのは塩尻市から寄贈されたもの。 詳しくはここに
  ギョイコウサクラ 花は最初は緑、そして徐々に桜色に変わる珍しい桜。

尾根緑道は自宅から約8Km離れており歩けば2時間弱、交通機関を使ってもほぼ1時間かかる。桜は花の時期が短いので一年では撮り終わらないと思うが頑張ってみよう。

写真は広角30mm程度の全体像、望遠100mm程度の花の集合像、望遠450mm程度のクローズアップ、及びその他 (主として花の付け根などの特徴点)としている。

尾根緑道の桜   花音痴の私なので全てではないが桜の名前が付いているのはありがたい。名前をキーにしてNETでそれぞれの種を調べることが出来た。(主としてWikipedia このはなさくや図鑑と「日本の桜」(山と渓谷社)を参考にした)
ところが、明らかに名前が違うものがみつかり、市役所の管理部門に調査・修正を申し入れた。

撮してみて分かったことは、1)桜並木の中で特定の樹1本を撮ることが難しいこと、 2)花の裏側の萼部を撮る難しさ(何しろ殆ど大きな木であることと、花がこちらを向いている)、 3)青空をバックにする事の難しさ(現地までほぼ1時間かかり、その間に空が変わる)、 4)少しの風で枝が揺れクローズアップのピントとブレが定まらない・・・下手の鉄砲数打つしかない。 5)カラーバランスがオートでは色調がバックの色に左右されやすい等々である。
 

トウカイザクラ

 

二度探したが見つからないので市役所に電話した:
「1985開設当時3本あったが、その後3本とも伐採された」とのこと。(建設部道路補修課)

諦めきれないので、NETで調べ新宿御苑に2本あるというので 赴いて撮った。
カンヒザクラ

 開花日:不明
   満開  :2010/3/19
  撮影:2010/3/14
     :2010/3/19
     :2010/3/27

  撮影 :2011/3/10
  撮影    :2011/3/12
  満開 :2011/3/23

ヒカンザクラ群 園芸品種 沖縄で「桜」と言えばこのカンヒザクラを指す。 花が平開せず釣り鐘状の花が下向きに咲くのが特徴。花の色は白から濃い赤色まで個体差がある。 他のサクラと交配した時に影響を与え、各地で優秀な園芸品種が出来ている(河津桜など)。 日本には野生せず、中国南部から台湾に分布する桜。花弁枚数・5枚。 花が終わると、萼筒に花弁と雄蕊がくっついたまま落ちるのが特徴。果実は紅色〜暗紅紫色に熟す。 

2011/3/10 開花寸前

2011/3/12 開花

2011/3/23 満開

2011/3/23

コシノヒガン

 開花日:2010/3/12
  満開:2010/3/27
 撮影:2010/3/27

 撮影:2011/4/2

エドヒガン群 園芸品種  エドヒガンとベニヤマザクラの交雑種。各部に毛があることや萼筒がくびれているところは、 エドヒガンの形質を伝えている。特徴的な壷型の萼筒、毛も多い。花弁枚数・5枚。果実は殆ど生じない。

     

2011/4/2

     
エドヒガン??

 開花日:2010/4/3
  撮影:2010/4/3
    :2010/4/6
 満開:2010/4/19
 撮影:2010/4/30

エドヒガン群 野生種 花は薄紅色から白で花弁は5枚。 萼の付け根が丸く膨らんでいるため見分けやすい。サクラの中では非常に長寿で樹齢2000年を超える 神代桜が有名である。花が多く咲く特性から多くの品種の母種として使われている。 萼筒は太い壷形で毛が多い。樹皮は皮目が目立たなく、縦裂する。花弁枚数・5枚。
エドヒガンの名札が付いた木は数本あるが、何れも花弁が多い し、開花の時期も遅いので名前が違うと思う。ヤエベニオオシマか? とも思ったが、花柄がほとんど無く、小花柄のみ目立つのでヤエベニオオシマでもなさそうだ。 
新宿御苑のエドヒガンはここに

2010/4/3数輪の開花

2010/4/6 未だ蕾が多い

2010/4/19満開

2010/4/30 未だ花がある

シダレザクラ??

 開花:2010/4/4以降
 撮影:2010/4/6
    :2010/4/8
    :2010/4/30
    

 

エドヒガン群 園芸品種 エドヒガンザクラの変種で品種が多い。 枝が垂れる原因は枝の成長が早く、木質化する前に、重力によって、枝が垂れ下がってしまうからだと言われている。 寿命が長く、大木に成長し、幹が縦裂する。萼筒は細長い壷形。小花柄や各部に毛が多い。花弁枚数・5枚。
新宿御苑のシダレザクラはここに
シダレザクラの名札が付いているが、花弁の数が違うし色も違いヤエベニシダレと思われる 。新宿御苑のヤエベニシダレはここに
ヤエベニシダレ
エドヒガン群 園芸品種 エドヒガンザクラの枝垂れるタイプで八重咲きの桜。枝は長く垂れ、花も下垂し、開花は葉に先行する。花弁は15〜20個、楕円形でややねじれており、平開しない。
小花柄が長く花は下垂する。萼筒は太い壷形で紅色、毛が多い。小枝でも花を沢山つける。
蕾から花弁が展開するにつれて、花色が濃紅紫色から淡紅紫色へと変化する。このため、遠目には5分咲きから7分咲きの頃に紅の色が最も濃くなり、その後次第に淡い色へと変化するように見える。 

2010/3/29 幹の縦裂

2010/4/8 撮影

2010/4/30 淡色化

2010/4/30

ベニシダレ??

  開花日:2010/3/25?
 撮影:2010/4/11
 満開:2010/4/19
    

 

エドヒガン群 園芸品種  エドヒガンの枝垂れ型の、花の色が濃いもの。花が薄いシダレザクラよりやや遅れて開花する。 花が平開しないのが特徴。小枝でも枝一杯に濃い花をつける。花弁枚数・5枚。  
ベニシダレの名札が付いているが、写真のように花弁枚数が違う。4/11現在で未だ蕾も多く 名札の付け間違いと思われる。 萼からエドヒガン群なのだがシダレてはいない。ヤエベニヒガンに似ているのだが・・・。

2010/4/11 撮影

2010/4/19

2010/4/19

2010/4/11 撮影

ベニシダレ

  開花日:2010/3/25?
 撮影:2010/3/27
    :2010/4/8
 満開・撮影:2010/4/11

 

エドヒガン群 園芸品種  エドヒガンの枝垂れ型の、花の色が濃いもの。花が薄いシダレザクラよりやや遅れて開花する。 花が平開せず花がやや鐘形になるものが多いが個体によって変異が多い。小枝でも枝一杯に濃い花をつける。花弁枚数・5枚。 果実は黒熟する。

2010/4/11 撮影 2010/3/27 2010/4/11 撮影 2010/4/11 撮影
ヤエベニヒガン

 開花日:2010/3/27
  撮影:2010/3/27
     :2010/4/3
          :2010/4/6
 満開。撮影:2010/4/8

エドヒガン群 園芸品種  マメザクラとエドヒガンの交雑種。低木状であまり大きくはならない。樹形はややほうき状、中央付近の花弁は不規則につき、濃淡がでるためコントラストが美しい桜。 花弁の先に濃い部分が残る。萼筒はややくびれた萼筒で紅色。花弁枚数・10〜20枚

 

ベニヅルザクラ

 

数回探したが見つからないので、市役所に電話した。翌日電話あり「もう無くなっている」とのこと。(道路補修課)
NETで調べると新宿御苑にあると分かった。電話で尋ねると、下の池のシダレザクラの近くに1本あるとの事だったが見つからず、その近所から二度電話してホッチキスで留めた番号でやっと確認出来た。
写真はここに置いてある。
オオシマザクラ

 撮影:2010/3/29
 開花:2010/4/3−α
 撮影:2010/4/3
    :2010/4/6
 満開・撮影:2010/4/8

ヤマザクラ群 野生種 関東以南に生育し特に伊豆諸島に多く名の由来となっている。 桜餅はこの若葉を塩漬けにしたものを使用する。樹皮は漢方薬材料になるし磨くと光沢が出るので茶筒などの原料として使われる。 数々の園芸品種の親株となっており、また他の桜の接ぎ木の台木にされる。 花弁枚数・5枚。果実は黒く熟す。

2010/3/29 若葉と蕾

2010/4/6 若葉

2010/4/6 樹皮

2010/4/6

ソメイヨシノ

 開花日:2010/3/26
 満開:2010/4/3+α
 撮影:2010/3/22
    :2010/3/26
         :2010/4/3
         :2010/4/6
 満開・撮影:2010/4/8
    :2010/4/11

エドヒガン群 園芸品種 エドヒガンとオオシマザクラの交配品種。 エドヒガンの花が葉より先に咲く性質とオオシマザクラの大きくて整った花形を併せ持った品種。  種で自然に増えることがない。全て人の手で接木などで増やしたもの。従って全てのソメイヨシノは1本のソメイヨシノのクローンである。 これが一斉に咲き一斉に花を散らす理由。萼筒はややくびれる鐘形。 小花柄、萼筒に毛が多い。花弁枚数・5枚。

ヤマザクラ

 開花日:2010/4/3/
 撮影:2010/4/3
    :2010/4/8
 満開・撮影:2010/4/11

ヤマザクラ群 野生種 日本の野生の桜の代表的な種。 寿命が長く大木になる。 多くの場合葉芽と花が同時に展開する。個体変異が多く同一地域で開花時期、花付き、葉と花の咲く時期、花の色の濃淡と新芽の色、 樹の形など様々な変異がある。新芽から展開しかけの若い葉の色は特に変異が大きく、赤紫色、褐色、黄緑色、緑色などがあり、裏面が白色を帯びる。 花弁枚数・5枚 果実は黒熟する。

 

  2010/4/11 撮影  色違いの花心が共存 2010/4/11 撮影
ヤエベニオオシマ

 撮影:2010/4/3
    :2010/4/6
    :2010/4/8
 満開・撮影:2010/4/11

ヤマザクラ群 園芸品種  オオシマサクラが重弁化し、花弁が紅色になった品種。多くのサトザクラが生成されていく過程の桜の一つといえる。  萼筒は鐘形。萼片は披針形もしくは長い三角形で鋸歯がある。花弁枚数15〜30枚。果実は黒熟する。

2010/4/11 撮影 2010/4/11 撮影 2010/4/11 撮影 2010/4/11 撮影

オモイガワ

 

のサクラも探しても見つからないので、市役所に電話した「もう無くなっているようです」との返事である。(道路補修課)
このサクラは新宿御苑にもない。NETで調べると高尾の多摩森林科学園にあるようなので、赴い たが、離れた位置からしか撮れなかった。写真をここに置いた
2011年このサクラが小山田桜台にあることを見つけた。その写真をここに置いた
シロタエ

 撮影:2010/3/29
 開花:2010/4/3
 撮影:2010/4/3
         :2010/4/6
 満開・撮影:2010/4/8
 撮影:2010/4/25
 

サトザクラ類 園芸品種 サオオシマザクラ、ヤマザクラ等を元に作り出したと見られる一連の品種を総称してサトザクラと呼び、 それに類する桜の品種を総称してサトザクラ群と呼ぶ。また、人が作り出した園芸品種を総称してサトザクラ類にする場合もある。 サトザクラ類は違った群の桜などを掛け合わせて作られたものであり、どの群でもないと考えられている。
人間の観賞用に改良されてきたため、花びらの数の多いものや、見栄えのするものを選んで作られている。八重咲き、枝垂れ咲きの種類も多い。
開花初期はピンク色が残るが、やがて白色大輪の花となる。萼筒は鐘形。萼片は披針形または舟底形。花弁枚数10〜20枚

2010/3/29 蕾

2010/4/8

2010/4/25

2010/4/25

ヨウキヒ

 撮影:2010/4/3
         :2010/4/6
 開花:2010/4/8
 撮影:2010/4/18
 満開:2010/4/20

サトザクラ類 園芸品種 奈良の興福寺にいた僧侶が庭に咲く桜をこよなく愛したことから、その桜を楊貴妃と呼ぶようになったと伝えられている。 現在のものは東京の荒川堤で栽培されていたものから広まっている。花弁の先端の細かい切れこみ、萼筒が漏斗形・萼片は三角形が特徴。 花弁枚数・15〜20枚

2010/4/3 蕾

2010/4/6 開花寸前

2010/4/8 開花

 
スルガダイニオイ

 撮影:2010/4/8
    :2010/4/11
 開花:2010/4/16
 撮影:2010/4/17
 満開・撮影:2010/4/21

ヤマザクラ群(オオシマザクラ群) 園芸品種  香りが良い品種。駿河台匂の名の由来は江戸の駿河台(千代田区)にあったのでその名が付いたと言われている。  旗弁が多いのも特徴の一つ。 萼筒は鐘形。萼片には鋸歯がある。花弁枚数・5〜10枚
2010/4/8 蕾 2010/4/11 芽吹き 2010/4/16 開花 2010/4/17 撮影
カンザン

  撮影:2010/4/6
    :2010/4/8
    :2010/4/11
 開花:2010/4/16-α
 撮影:2010/4/18
 満開・撮影:2010/4/21

サトザクラ類 園芸品種 サトザクラの八重咲き品種で、八重桜の代表とも言われる。花弁が多く、沢山の小花が集合して咲くので、枝が重みで垂れ下がる。 萼筒は漏斗形。萼片は卵状三角形。花弁枚数・25〜50枚。

2010/4/6 蕾

2010/4/11 芽吹き 2010/4/16 開花 2010/4/18
フゲンゾウ

 撮影:2010/4/8
    :2010/4/11
 開花:2010/4/16-α
 撮影:2010/4/18
 満開・撮影:2010/4/24
 撮影:2010/4/25

サトザクラ類 園芸品種 花は重弁であり、大輪の花を咲かす。四月の下旬に最盛期を迎える。花は若いうちは薄紅色をしており、徐々に白くなっていく。最盛期を過ぎると徐々に花の中心部が赤く染まる 。2本ある雌しべが葉化し普賢菩薩が像の牙に載っているように見えることから名が付いたと言われる。萼筒は広い漏斗形。萼片は三角形で鋸歯がある。花弁枚数30〜50枚。

2010/4/8 蕾

2010/4/11 芽吹き 2010/4/16 開花 2010/4/25
カタオカザクラ

 撮影:2010/4/6
 撮影:2010/4/8
 開花・撮影:2010/4/11
 撮影:2010/4/18
 満開:2010/4/20
 撮影:2010/4/30
  

ヤマザクラ群 野生種 カスミザクラの幼形開花型。ヤマザクラに戻ってしまうことが多い。 萼筒は鐘形で小花柄にはわずかに毛がある。ソメイヨシノと同じく現存するカタオカザクラは1本からのクローンである。花弁枚数・5枚  このサクラは発芽して2−3年で花を咲かせるし、花をつけている部分、花柄(かへい)の苞(ほう)からも葉がでてくるのも極めて珍しい。また若い枝をとりまくうっすらした白色の毛は、他のサクラには見られない特徴となっている。

いわれの掲示

2010/4/8 蕾

花弁はピンクから白色に

花柄の苞からの葉

ギョイコウザクラ

 撮影:2010/4/3
    :2010/4/6
    :2010/4/8
    :2010/4/11
 開花:2010/4/16
 撮影:2010/4/18
  満開・撮影:2010/4/24
 撮影:2010/4/25
    :2010/4/30
    :2010/5/3


花のまま落ちる

2010/5/3

サトザクラ類 園芸品種 花弁数は10から15程度の八重咲きで、花弁は肉厚で外側に反り返る。色は白色から淡緑色である。 中心部に紅色の条線があり、開花時には目立たないが、次第に中心部から赤みが増してきて(紅変)、散る頃にはかなり赤くなる。場所や時期によって、 花の大きさや色合いなどに大きな差がある。 緑色の花を咲かせる唯一のサクラである。 花弁枚数・10〜20枚
2010/4/18 2010/4/24 紅変 2010/4/25 紅変 2010/4/30 紅変

2010/4/3 蕾

2010/4/6 蕾

2010/4/8

2010/4/11 撮影

尾根道とは関係ないが、町田市内で尾根緑道以外の場所で見つけたサクラについてこちらに記載することにした。