歩の記録 T(2006〜7年)

65才を越えた頃から蓼科ピラタスのケーブルで、麓まで4Kmのノンストップダウンヒルが膝の痛みで出来なくなっていた。
2005年にスキーに行ったのに、ポカポカ陽気に誘われて諏訪湖一周16Kmを歩いたことがあった。その後そのシーズンは膝の痛みは相当軽減され、歩くことでの足腰の強化の必要性を痛感した。

小学時代後半は往復4Km、中学は往復6Km 、高校は往復10kmを歩いて通学していた。 また会社では現場管理者として工場内を歩き回っていたので体力はあったのだが、44歳からの本社勤務以降は座ることが仕事になり、それまでの体力の蓄えを 取り崩していた。

2006年10月に週1・2度システム担当として出かけていた事務所が店じまいしたので、全くのサンデー毎日の身になった。そこで歩きを始めることとした。 
ともかく2006年11月より、ウオーキングシューズや歩数計を購入し、歩きの結果を記録し始めた。

右のグラフは2006年11月から2007年12月までの毎月の歩行距離と、5月から計り始めた体重の推移である。

距離について

電車一駅は大体4Kmであり、月間20回歩いても100Kmにはならない。
10000歩を目安にした時には月間20回で150Km 程度となる。
月間150Km以上歩くには10Km以上のコースを採用しなければならない。
日常生活で歩数計を付けると5000歩以上を記録し、都心に一日出かけると10000歩にはなるが、有酸素運動を示す歩数計のしっかり歩き歩数は0である。ここに記録した歩数は歩きに出かけたときだけのものにしている。

歩き始めの2ヶ月間は、町田市の遺跡や河川を歩きデジカメに記録したが、重ねて訪れ記録するほどの目新しさは無く、継続性に問題があった。

2007年1月から町田市名木百選の木があることを見つけ、これを撮し歩いている。所在の確認が終わり、春には開花・新緑を、秋は紅葉と結構忙しく歩いている。ちょうど1年が過ぎたが、四季の表情で撮り落としている物もあるのでその補完が今後の課題。 私の場合目標が必要で、ただ歩数稼ぎのための歩きは出来そうにない。

月間歩行距離で2月が少ないのは、スキーの影響、8月は酷暑のためである。目標としては月間100〜150Kmは歩きたいもの。

体重について

歩きを始めた頃の体重はは84〜5Kgあった 。最初の3ヶ月は計っても体重は殆ど変化無く、関心もなかったが、3月頃80Kg を切り、5月から体重を計るようになった。

現役時代の体重は72Kgだったので、相当近づいてきた。但し同体重でも筋肉が落ちて、脂肪になっての同体重なので、メタボ的には未だ肥満体である。

10000歩歩いても消費するカロリーは400Kcal程度で、脂肪の燃焼 9000Kcal/Kg から考えると、せいぜい50grにもならない。(ざる蕎麦1枚で補ってしまう)体重の減には運動によるカロリー消費もさることながら、食べ物の影響が大きいと痛感している。

いずれにせよ、着られなくなっていた服やスキーウエアが着られるようになった。ベルトも昔の物が使えるようになった。

歩の効用

1)通り道に詳しくなった。災害時に役立つだろう。

阪神大震災時神戸東灘区に住んでいて、通勤は近くの駅を利用し、車は幹線道路しか使わなかった。地震発生直後西の方に火災発生し、娘の友人がそちらに下宿しているとかで、車で安否確認に出かけたが家の倒壊で通れない道や橋に生じた段差で断念したこと。 翌日芦屋まで徒歩で往復したが倒壊家屋に遮られ回り道を余儀なくされて苦労したが、
歩くことで町田市の道路網に詳しくなった。ここに住み始めて10年だが、駅から徒歩5分以内なので、バスに乗ったこともなかったし、車で出るときには使う道路はほぼ決まっていた。最初は地図を片手に歩いていたが、歩く度に違う道を使い新規開拓をしたので相当詳しくなった。時間を気にせずに歩くと言うことは回り道を気にしないということ。この知識は非常時には役に立つ だろう。

2)ボケ防止

小人閑居すれば不善を為すとか、ただぼんやりと庭草をむしっていたのでは呆けてしまうだろうし、腰痛にもなろう。歩いて気になるものをデジカメに記録し、WEBに記載することがボケ防止になっているものと考えている。とは言えボケは相当進んできた。同期会や同窓会に出席して顔見知りを見かけても、近づいてそれとなく名札を見なければ、名前を思い出さない。
歩きにカメラを同伴し、RAW画像の現像・修正、WEBに記載する文章、キータッチ、ソフトの活用などはクルミを掌でこね回すよりは効果的だろう。

3)Step by Step

とにかく歩いていれば目的地に到達する、そこには何のテクニックもいらない。千里の道も一歩からと言うが 、一歩一歩の積み重ねがゴールに導いてくれる。失敗を繰り返しながら、一つ一つの原因を精査し対策を練った現役時代の進め方と似たところがあるなと郷愁を感じつつ歩いている。華麗なひらめきも必要だが、凡人には一歩一歩の方が近道である。

4)健康維持

町田市百選の木の写真を撮ることが目的なので、原則天気の良い日しか歩かない。実は睡眠覚醒リズム障害になっていて、眠くなるのは朝方明るくなってから、起き出すのは正午頃という生活であった。この治療には朝日を浴びる事を続けることだそうだ。他人に迷惑を掛けるものでもないので放置していたが、最近相当改善してきた。
日を浴びて歩くこと、歩きの疲労で深夜には眠くなることが効果を上げたのだろうし足のむくみも取れた。あとは寝たきり介護を受けずにポックリ逝ければ最高なのだが・・・。(先ほど同期生の訃報が届いた・・・合掌)